NSDでは鉄、ステンレス、アルミの各種材料を用いて研削加工を行い、お客様の表面粗さ、フレ精度、表面形状のご要望にお応えしています。t0.2~t0.3程度の薄肉で深さ0.1程度のクラウン形状、左右外径差15μ以下といった鉄製品からステンレスやアルミ製品といった各種研削ローラーをお届けしています。NSDの出荷数量ベースでこれら研削品の比率はおよそ40%を占めます。今回はその研削加工についてご紹介します。詳細については是非お問い合わせください。
(左:材料、右:研削品)
NSDは中国で10年前に工作物の外周面の切削加工を立ち上げた後、鉄製薄肉の定着ロール芯金のご要望にお応えするべく、研削加工を立ち上げました。切削でも薄肉の加工は可能でしたが、検討材料がアルミに比較して硬い材質であったため、刃物の磨耗による表面状態の変化を避けるべく、静止研削を採用しました。その後クラウン形状の無いストレートの薄肉芯金のご要望も頂くようになり、通し送り(スルーフィード)研削を導入しました。鉄から始まったこの研削加工もSUS、アルミと徐々に加工対象材料の幅が広がっています。
NSDではこの加工をクラウン形状や段がある鉄製薄肉定着ロール芯金の加工に用います。
ここで加工される製品は、クラウン量はφ0.05~φ0.1㎜程度、左右外径差を15μ以下で仕上げます。その場合使用する材料により、φ30㎜のSTKM材であればt0.3㎜以下、φ25㎜のHT鋼材であればt0.2㎜以下の肉厚での仕上げが可能です。
この停止研削は、工作物を1本ずつ支持刃に載せ高速回転する砥石を工作物に押し当てて研削する方法で、工作物に凹凸を付ける加工が可能です。
NSDではこの加工をストレート形状の鉄製薄肉ロール、SUS製及びアルミ製ロールの外周加工に用います。
ここで加工される製品は、薄肉の場合、φ25㎜程度のSTKM材でt0.5㎜、HT鋼材ではt0.4㎜以下の肉厚です。薄肉故に、取り扱いには注意が必要です。NSDでは自動供給装置により連続的に工作物を研削機に供給しています。SUS材やアルミ材の場合は薄肉ではありませんが、小径のため切削よりも外形寸法が安定することからこの研削方法を用いています。
この通し送り研削は、砥石と調整車の間に工作物を連続的に通り抜けさせる方式で、円筒形状の工作物の量産加工に適しているとされています。
NSDではこの加工機を一部研削とバフ研磨に用いています。
円筒研削は切削の旋盤と同様に工作物を主軸台と心押し台で固定し工作物を回転させながら回転させた砥石を押し当て、工作物の軸方向に工作物若しくは砥石を送りながらその外周を研削します。
加工能率自身は高くはありませんが、センターで保持するために軸を基準としたフレ精度や精度の良い仕上げ面を確保することが出来ます。コストより精度を要望される加工に適しています。
研削は、研削砥石を高速回転させ工作物の表面を削り取り、形状・寸法精度を確保し、表面粗さを仕上げる加工方法です。研削砥石は無数の砥粒があり、この砥石を高速回転させて砥粒と接触する工作物の表面を少しずつ削り取り、加工を行います。一般的に「切れ刃あたりの除去量が非常に小さいため加工精度や、面粗度が優れている。」とされています。
芯無研削(センタレス)は、工作物を固定せず、研削砥石、調整車と支持刃(ブレード)の3つで支持し工作物の外周面を基準として研削を行います。工作物のセンターを保持せず加工するために芯無研削(センタレス)と呼ばれます。調整車が回転して工作物を駆動させ高速回転する砥石と接触させることで工作物外周面を研削します。 この加工方法は、全長に渡って均一な研削ができるので、細くて長い工作物の研削に適しているとされます。