NSDでは、アルミ、鉄、ステンレスを使用した、各種OA機器用途のローラー芯金を生産しております。
主な使用用途としては、定着ローラー芯金(アルミ、鉄)、中間転写駆動ローラー等があります。
今回、定着ローラー用芯金、中間転写駆動ローラー、機能性表面塗装についての表面改質応用例をご紹介させて頂きます。
定着用加熱ローラーの芯金として、アルミ材料、鉄材料が使用されています。近年、コピー機の定着部の消費電力低減、ウオームアップ時間の短縮等の省エネ観点から、ローラーの低熱容量化、伝熱効率の向上が望まれ、鉄系ローラーの薄肉化という方向が一つの消費電力低減対応策となっています。
弊社では、鉄系ローラーの薄肉化対応を行っており、0.2mm程度の薄肉鉄系ローラーの提供を行っています。
鉄系ローラーの場合、加工後の鉄表面の防錆対策、鉄表面への塗料の接着性確保という課題があり、弊社では、加工後の鉄表面にパーカー処理(リン酸塩処理)を実施し、これらの課題対応を行っています。
定着ローラーの場合、耐熱性が求められますので、パーカー処理材料として、耐熱性の高いリン酸亜鉛処理材料を使用しています。
<パーカー処理>
リン酸、リン酸塩を主体とする処理液で金属を処理し、その表面にリン酸塩皮膜
を形成する化成処理法。防錆効果、塗装下地処理に使用される。
また、加熱ローラーの発熱体からの熱吸収を高める為、ローラー内面に耐熱性黒色フッ素系塗料を塗布し、熱吸収を高める事が可能であり、弊社では内面塗装対応も実施しています。
(内面塗装機)
カラー機の転写方式として、中間転写ベルト方式を採用するケースが多く、中間転写ベルトを駆動させる中間転写ベルト駆動ローラーが必要となります。
中間転写ベルト駆動ローラーには、転写ベルトを安定駆動させる為、ローラー加工精度、ローラー表面の駆動摩擦力の安定性が求められます。この為、ローラーの表層にウレタン系、発泡ウレタン系の表面塗装を行い、駆動摩擦力を付与しています。
各種コーティング材料を表面に塗布することにより、表面改質を行い、ローラー表面に機能付加することが出来ます。
表面改質の応用例として、下記の表面改質が可能です。
1:ウレタンコート : 摩擦係数が高く、高摩擦力が必要な用途に有効です。
2:発泡ウレタンコート : 摩擦係数が高く、高摩擦力が必要な用途に有効です。
また、摩擦力の耐久安定性も確保出来ます。