1)DYNAOX Vietnamについて
DYNAOX Vietnam Corporation Limited (DYVN)は、金属切削品の生産・販売を行う製販一体の拠点です。お客様のASEAN展開に伴い、弊社の生産拠点の拡充の目的でベトナムに2015年4月に設立・進出しました。その後、内装工事、設備搬入、スタッフ教育、試運転、量産試作と進め、同年12月に最初の顧客監査に合格しました。現地生産化はもとより、主要材料を全てベトナム国内にて調達化する事でお客様のASEAN展開を強力にサポートします。
2)業務内容について
とにかく、何も無いところから物事を立ち上げる仕事です。
法人の設立は本社チームのサポートを得て進める一方、設立後の工場立ち上げ以降量産までの諸準備は現地主体で行いました。今後は別拠点にて生産しASEAN各国のお客様に納入されているアイテム群の現地生産化を進めて行きます。これらの安定生産化はもとより、従来とは異なる製品ラインアップの拡充のためのタマ込めも必要になるでしょう。そのための技術・設備の導入、新規スタッフの採用・育成が急務です。
量産準備のメドが立ちましたので、いよいよ納入開始と早期品質安定化による顧客満足度の充実に向けて突っ走ります。目下総勢11名の小所帯ですが、小さいだけに一体感とチームワークを以って業務に取り組んでいます。
3)駐在員生活はサバイバル
<①交通事情編>
ハノイにはバス・タクシー以外の公共輸送機関がまだありません。そのためラッシュ時には道にバイクがあふれ帰り、車と車の間だけではなく、時には歩道や反対車線を走り抜ける事もさほど珍しくはありません。こんな状態でよく事故が起きないものだと当初は感心していました。
が、実際にそのラッシュに巻き込まれてみると「そんな事は無い」と分かって来ました。どうやら街中でのバイクの速度は遅く大事に至らないため、多少の事ならぶつかってもそのままのようです。
こういう中で生活するには、歩行者として道を横断しないで生活するわけには行きませんし、かといってバイクにぶつけられても危険です。何とかぶつけられずに横断する術を身に付けなければなりません。
ここでベトナムの街中で道路を横断する時のTipをご紹介します。
まずは日本の常識は捨てましょう。流れの切れ目はめったにありませんし、歩行者を見かけたからと言って止まってくれる事もありません。要領は次の三つです。①覚悟を決める。②車道に降りたらライダーから目線を逸らさない。③ゆっくりと歩く。たとえ道の真ん中で取り残されても慌ててはなりません。そのままで居て下さい。そのうち岩の周りを流れて行く川の水のようにバイクが貴方を避けて行ってくれるようになるでしょう。
但し、この手は相手が四輪の時には通用しません。特にバスはそのまま突っ込んできます。
この点はくれぐれもご注意を。お気をつけて。Good Luck!
<②設備故障編>
正直なところ当地は設備故障に対して迅速、適切な修理対応サービスが期待できる環境ではありません。そういう中で導入設備が複数台突如動かなくなってしまいました。
当然生産は滞ります。途方に暮れつつも、まずは自分たちで出来る暫定策を講じて何とか設備を動かして時間を稼ぎ、本格的な修理対応を待つしかありません。設備メーカーさんに電話を掛け、指示に従って探っていくと、とあるセンサーの信号異常に原因は絞られてきました。数日前まで機嫌よく稼動していたセンサーが、バタバタと故障するものなのか?配線の接触不良にしても何か怪しい。という事で、このセンサーの配線をくまなく辿ってみると・・・。それは明らかに外的要因によって破断されたケーブルの姿でした。ケーブルが断線しており、その被覆が下に散乱しています。
急遽特別チームが編成され、最新技術の粋を尽くした対策により、犯人の身柄は二日目の朝に確保されました。
「コイツだ!!!」
その後犯人グループの一味を更に3匹確保し、設備は断線したケーブルの再接続と調整で復帰させる事が出来ました。隙間を塞ぐ対策と、超音波害虫対策機器の設置をする事で様子を見ていますが、幸い再発は無いようです。
いろんな人に聞いてみると、寒くなると暖かな場所を求めて機械に潜り込むのだそうです。
また、近所の空き地で草むらになっていた場所に新たに工場建設工事が始まったため、生活の場を奪われてしまったと言う面もあったかもしれません。
とはいえ、何分、設備が止まってしまうと生産はできません。
皆さんもネズミのコードかじりにはくれぐれもご注意を。ご安全に。
これからも駐在員生活を続けていると様々な事象に直面する事でしょうが、メゲることなく現地スタッフと共に生き抜いていきます。また何かトピックスがあればレポートします。