読者の方でも、健康診断などで胃カメラを経験した人はたくさんいると思います。
胃カメラとは、「上部消化器管内視鏡」の事で、細長いチューブの先端に照明やCCDカメラを付けた内視鏡を使った検査です。
喉、食道、胃、十二指腸などを観察する事が出来き、咽頭/喉頭がん、食道がん、食道静脈瘤、逆流性食道炎、胃がん、胃/十二指腸ポリープ、胃粘膜下腫瘍、胃炎、胃/十二指腸潰瘍、乳頭部腫瘍などを発見するのに大変有効です。
オリンパス社が開発したNBI(Narrow Band Imaging)画像解析技術で、早期食道がんや胃がんが早期に発見しやすくなり、治療にも大いに役立っています。
尚、胃カメラには口から入れる「経口内視鏡」と、鼻から入れる「経鼻内視鏡」がありますが、「経口内視鏡」は外径が10mm近くあり、喉への違和感が大きく「経鼻内視鏡」の利用も増えています。
正式には「下部消化管内視鏡」と言い、体を少し横に傾け、肛門よりカメラを入れ、一番奥の盲腸まで挿入して、少し空気を入れて大腸を広げながら検査します。
盲腸から肛門まで戻しながら大腸の粘膜を観察し、炎症やポリープが有れば拡大して精密観察したり、場合によりいろいろな処置具で組織採取をして、別途病理組織検査をします。
切断が出来ると判断されたポリープなどは、ワイヤーなどの処置具を使い切除する事も出来ます。
また、口からも距離が遠く、細長い小腸の内視鏡検査は難しく、「暗黒の臓器」と言われていましたが、日本メーカーと研究者の共同開発で、バルーンを2つ付けた内視鏡が開発され、今では多くの病院やクリニックで検査出来るようになってきています。
内視鏡というと、大手カメラメーカーがそろっている日本企業の独断場でしたが、最近の海外の医療展示会では、使い捨て内視鏡も出てきています。
今までの内視鏡は、高価であるため、洗浄・滅菌をして再利用をしていますが、感染などのリスクが有りました。
内視鏡を使い捨てにする事で洗浄の手間と感染リスクをなくす発想です。
単機能で画質も現行の内視鏡より落ちますが、ソフトで画質の補正が出来るようになれば、現実味が出てきます。是非日本のメーカーにも頑張って貰いたいものです。